「マネージャー」について考えてみる – ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメント


マネージャーとは何か。

マネージャーとはプレイヤーが常に最高のパフォーマンスを出せるようプレイ以外のあらゆることをやる人です。
ちなみにリーダーは進むべき方向を決める人なので少しニュアンスが違います。
それについてはまた別の機会に。

しかし中小企業では間接業務(成果物がお金にならない業務)の専門家を雇う体力はなくプレイヤーがマネジメントも担います。
それをカッコよくまとめたのが「プレイングマネージャー」という言葉。
プレイ以外のあらゆることをやる人にプレイも要求するのですから正気を疑います。
中小零細企業ではこういった潰しの利く人材が必要になります。

マネージャーの定義

少しwikiの力をお借りします。

学校の部活動のマネージャー
各種競技の課外活動クラブ、特に学校の運動部などで、そこに所属はするが競技には参加せず、試合や練習の準備・進行・試合結果の記録・競技者の世話など、クラブ活動にかかわる庶務全般を担当するメンバーのこともマネージャーと呼ぶ。

芸能界のマネージャー
芸能人のマネジメント業務を行うほか、時には付き人としての役割を果たす担当者のこともマネージャーと呼び、一人の芸能人に複数のマネージャーが置かれたり、複数の芸能人に一人のマネージャーを置く場合もある。

プロボクシングのマネージャー
日本のプロボクシングにおけるマネージャーは、選手のマネジメント全般において責任を持つ役職を意味する。

一般企業のマネージャー
近年、日本企業でも従来の役職に代わってマネージャーの呼称を採用する事が多くなっているが、特に決まった定義はまだなく、業種による差異も大きく、各企業がそれぞれの事情に合わせて独自に定義している。

一般企業のマネージャーには特に定義が無い様ですね。
「決まった定義は『まだ』なく」とは粋な説明です。
断言できますが、中小企業においてマネージャーが明確に定義される日は未来永劫来ません。

プレイングマネージャーの悪

世間一般ではサポート役の位置づけの「マネージャー」です。
最初に述べた通り「プレイ以外のあらゆることをやる人」です。

しかしソフトウェア開発プロジェクトにおいては、プロジェクトマネージャーの意味合いが少し変わります。
プレイしながらスケジュール管理・コスト管理・コミュニケーション管理・スコープ管理・品質管理・調達管理・リスク管理等・顧客管理を行う人です。

すごいですね。どんなスーパーマンでしょう。
全てこなすのは土台無理な話でプレイングマネージャーは常にテンパります。

最初に引いたスケジュールは外れに外れてメンテナンスが間に合わず置き去りに。
マネージャーの頭の中でコロコロ変わるスケジュールにメンバーが迷走。
マネージャーは何とかプロジェクトを完成させようコーディングを始めるのですが、手を出した時点で最後。
自分しか対応できない不具合やトラブルが積み上がります。

メンバーからは質問攻めに合い、上司と顧客からは状況の説明を迫られ、受け取ったコーディングは進まず全てがマネージャーの対応待ち。
作業を引き取ってあげた相手もマネージャーの対応を待ったりするので期間短縮は実質ありません。

TOCの考え方によるとボトルネック工程以上のスループットは出ません。
従って、マネージャーがボトルネックになった時点で遅延は必然。
しかも間接業務をクリティカルパス上にのせてしまうという・・・。
こっわ。

この辺に気づかないんですよね。
プレイングマネージャーという立場の人は(僕を含む)。

では、どうすれば良いのか

プレイヤーとマネージャーはきっちり分けるべきだと僕は考えます。
プレイングマネージャーという立場の人は不幸にも優秀なプログラマーだったりします。
加えて自分のマネジメント能力に不安を抱いていたりするケースが往々にしてあります。

なので、マネジメントをおざなりにして手を動かすことに専念します。
まぁ、何とかプロジェクトを乗り切れることが多いのでそれを是としてしまうのですが、
乗り切れないプロジェクトを同じノリではじめてしまった時に大やけどします。

マネージャー1人 + メンバー3人のプロジェクトを考えてみます。
マネージャーはプログラミング技術の能力の高さが評価されプロジェクトマネジメントを任されます。
マネージャーは3人のメンバーを使ってソフトウェアを完成させなければなりません。

マネージャーは1の能力を持っています。
メンバーはマネージャーがマネジメントに割いた時間の半分能力を発揮してくれる(マネジメント効果)と仮定しましょう。
メンバーの能力が低いということではありません。
コミュニケーションコストおよび手待ちや認識違い等のコストを考えるとこんなところだろうという話です。

納期は2.5ヵ月で3の仕事を終えなければならないプロジェクトを考えます。

表にするとこんな感じ。

これは非常にもどかしい現実です。
プレイヤーとして活躍してきた人が、何もしない方が良いという事実。
また1人でやれば3ヵ月で終わる仕事が、4人でやっても2ヵ月以上かかります。
何でしょうねぇ。この効率の悪いチームプレイは。

自分がやったらもっと早くできるのに・・・
そう考えてしまうのも無理はありません。

ちなみに僕が大炎上させたプロジェクトを表にするとこんな感じです。
恥ずかしながらご参考まで。

まぁ、炎上の理由は見積ミスです。
30人月の仕事を8ヵ月6人の時点で破たんしていたのかもしれません。
人数もしくは期間を間違っています。
8×6で48人月確保できている気がするんですけどね。

ただ、それでも僕が手を動かさない方が傷が浅かったのは事実です。

マネージャーはコーディングするな。
やはり鉄則です。

焦りもありますし、死にかけているメンバーを手伝いたくなるのが人情です。
しかし、手を出すと傷を深めるだけという皮肉。

まとめ

プロジェクトマネージャーはプレイ能力を持たない人がやるべきだと思うんですよね。
部活のマネージャーや芸能人のマネージャーみたいに。

おわり


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