食傷気味なIoT


IoT…
もう聞き飽きましたかね。
少しIoTブームも一段落してきた感はあります。
しかし製造業が強い我が国ですから、何としてもこの単語にすがりたいですよね。

けど、モノのインターネットなんていい加減に訳すからみんなしっくりこない。
みなさん行き着く先はこんな感じでしょうか。

結局IoTって何だったんだろう・・・
IoTは人工知能のことだ!
IoTはウチの製品のこと(センサーやカメラなど)だ!
何か良く分からんがつなぐぞ!!

悲喜こもごもですが僕の見解を述べてみようかと思います。
何言ってるんだこいつは?になるかもしれません。
その時はごめんなさい。

センサーだらけIoT

IoTブームに乗っかり各センサー企業がこぞってセンサーを開発。
人をセンシングするウェアラブルセンサーやモーションセンサーは最近よく見かけます。
また、機械情報をセンシングするものなどはかなり昔から存在します。
今更なものもあれば、「え?こんなものまで取れるの?」みたいなものもあり、
もはやこの世で取れない情報は無いのではないかと思います。

しかし、どうにもセンシングできるデータの活用法が貧弱な気がするのです。
一か所にデータを集めて100個も200個もグラフを作って、後は
自分で何か気付いてください。
と、ユーザーに丸投げスタンス。

時系列で並んだ電力量などグラフで見せられても大雑把なことしかわかりません。

ひと昔前、山のようにセンサーや人の作業データを取れるだけ集めて、
ウチのデータはビッグデータですか?
と、僕に聞いてこられる方がいらっしゃいました。
上司からデータを活用しろと言われ、途方に暮れていたのでしょう。
質問の仕方が完全に行き詰っており、もはや何を知りたいのかもわかりません。

僕は溜めるだけ溜めて活用できない企業をいくつも見てきました。
しかも、手に余る大量のデータを資産だと言って捨てるに捨てれず
更には維持する為に苦労してらっしゃいます。
苦し紛れにBIツール(大量のデータを簡単にグラフ化やレポート化するツール)に手を出しても傷は深まるばかり。

一応上記のような背景をお話しし
「これからは溜め込んだデータ自体にはあまり意味が無く、活用方法が価値を持つのだと思います。
なので、ビッグデータかどうかなんてことにはあまり意味がないと考えています。」
とお答えしておきました。
その後、データマイニングやR言語など統計や分析に関する話題が流行りましたね。
しかし、うまく活用できているところはごく少数です。

現在、IoTの名の下にやみくもにデータを集める現象が発生しています。
ひと昔前のビッグデータブームと同じです。

IoTブームが一段落したら、
ウチのシステムはIoT化できてますか?
とでも、聞かれるのでしょうか。

データ活用方法のご提案

「これからは溜め込んだデータ自体にはあまり意味が無く、活用方法が価値を持つのだと思います。」
半分は正解で半分は誤りであったと反省します。

「データの活用方法が価値を持つ」は正しかったのですが、
「溜め込んだデータ自体にはあまり意味が無い」は間違いでした。

Googleがかなりのデータを溜め込んでいることは誰の眼にも明らかでしょう。

そのGoogleが溜め込んだデータ同士の意味を有機的に紐づけています。
最初はただのテキストデータだったと思います。
「首里城」で検索すれば「首里城」の文字が含まれるページを表示するだけでした。

それが今は、「首里城」も「しゅりじょう」も同じ意味と認識し、
沖縄で「近くの観光地」と検索すれば首里城が出てきます。
首里城は沖縄にある観光地であるということをGoogleは理解しています。

首里城のような有名施設でなくとも、およそGoogleの人が訪れたことがないような飲食店の名前でも、
Googleはそれが飲食店であることを認識し、そこまでの経路と時間をアナウンス。
混雑具合まで出してくれます。
おせっかいなことに、閉店時間に間に合わないことまで教えてくれます。

溜め込んだデータが強力な意味を持ち始めたのは完全に予想外でした。
「無作為に集めたデータは使えない」が僕の見解で、完全に思考停止であったと反省します。

Googleは端末の位置情報を利用し、人に問いかけます。
「あなたはこのビジネスのオーナーですか?」「〇〇に訪れましたか?」
ユーザーインターフェースを用意し、携帯端末を持つ人をセンサーとして活用したのです。
膨大なテキストデータへの意味付けに、人間を利用したという事実には度肝を抜かれます。
Googleは世界中をGoogleカーで走ってみたり、ちょいちょい大胆な人海戦術を使いますね。
僕はそういうの好きです。

では、本題に入ります。
先ほどちらっと例に出した、
「時系列で並んだ電力量」
で、話を進めていきたいと思います。

単に、折れ線グラフで電力量が並んでいてもさっぱりわかりません。
その為、付帯情報を用意します。

この電力量になった機械はどれか?
この電力量になった時間は?
何分間続いたのか?
二酸化炭素消費量は?

機械が知りうる情報、つまり時間と場所と一般的な計算式で出せるものと機械自身が持つデータを挙げていきます。
しかし、あくまで機械が知りうる情報まで。

どの製品を作る為の電力量か。
いつ売る為の電力量か。
誰に売る為の製品の電力量か。
誰が作業していた時の電力量か。
など、本来経営層が欲しいはずの情報は入力しない限り機械が知ることはできません。
しかし余計な入力はしたくないのが人情。

こういった情報を作業や動作の中で紐づけられる方法を考えること。
僕はそれを提案していきたいのです。

まとめ

今後、活用しづらいデータがどんどん量産されると考えています。
一定のルールやIDを持たず、ただ時系列で溜められていくことでしょう。

活用できないのはユーザーが悪い。

その主張もわからないでもないですが、そこをフォローアップすべき時代なのではないかと思います。
つまり、ただのデータに血の通った意味をつなぎ合わせることが、IoTにとって大切なのではないかと考えます。
無機質な時間や場所、計算結果のデータを出すことではありません。
システムにデータの意味を理解させ提案させることが、IoTなのではないでしょうか。

ただ閉店時間を出すだけではなく「ひょっとしたら間に合わないかもしれません」と言ってくれるGoogleのように
「グラフ見て勝手に気付いて下さい。」のスタンスから「根拠はこうです。こうしてみてはどうですか?」と提案する。

AIがやるのか、はたまたGoogleのように人力なのか、それとも未知の技術がやるのかはわかりませんが
それができないなら、IoTはビッグデータと変わらずバズワードです。

ウチのシステムはIoT化できてますか?
なんてこと、僕に聞かないでください。

世界の一歩でも先を、日本が行くことを願います。

おわり


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