プログラマーの転職 – 退職後の7つのケース

今回はプログラマーが辞めたら、どこへ行くのかについてです。
12年も同じ会社に勤めていたら多くの上司や部下が辞めていきます。
そういう人たちはどこへいくのでしょうか。

ケース毎に分けてみました。

ケース1:転職活動で別のソフトウェアの会社に転職
 ステップアップできたパターン
 ステップアップできなかったパターン
ケース2:転職活動で別の業種に転職
ケース3:派遣先に就職
ケース4:事業を起こす
ケース5:家業を継ぐ
ケース6:派遣会社に登録
ケース7:取引先へ転職

順にお話ししていきたいと思います。

ケース1:転職活動で別のソフトウェアの会社に転職

このケースが最も多いと思います。
プログラマーとしてやってきたわけですから、
似たような仕事内容を次の職場にも求めます。

しかしこの場合、ステップアップするパターンとそうでないパターンがあります。
その辺について、少し事例を含めてご説明します。

ステップアップできたパターン

Aさんは僕の先輩です。
一応先に断っておきますがこの人仕事できません。
そんなAさんですが、感心する才能が一つだけあります。

それは
「自分を天才だと思っていて、全く疑わない」
ことです。

とある理論を思いついたらしく
「やはり自分は天才なんだと感じた」
と全社員が集まる集会で発表していました。
別に珍しいものでもなんでもなく、調べればすぐに出てくるものです。

また、不具合を見つけた時、
「俺じゃなかったらこの不具合見つけられないと思うよ。良かったねぇ。」
と、嬉しそうに下っ端に言います。
この下っ端が既に修正した不具合なのですが。

しゃべり方が自信満々で偉そうなので
僕も初期は「この人すごい人なのかなぁ」と思っていました。
いざ一緒になってみると・・・まぁ、全ては言うまい。

とにかく「自分の能力を疑わない」才能を持っています。
また、その溢れんばかりの自信が人を惑わせます。

転職活動で、採用された会社は何倍も巨大な会社です。
たった数十分の面接で、彼の本当の力を見抜くことはきっと難しいのでしょう。
華麗なるステップアップを成し遂げました。

辞める時、誰も送別会開こうとしないので周りに送別会を催促していました。
結局誰も開かないので、自分で送別会を開く本当にタフな人です。

転職活動してステップアップする人は、少ないですがいます。
自己PR力の高い人たちがこのパターンです。
能力の高さはあまり関係ないようです。

ステップアップできなかったパターン

Bさんは僕の上司で納品物などの最後の承認印を押す人です。
当時の社内では5本の指に入る人でした。
年齢は40代前半~中盤だったと思います。

丁度リーマンショックで悲惨な時期。
給与や残業代がカットされ、みんなイライラ。
社長とBさんの間で徐々に経営方針の違いから確執が生じ、
最終的にBさんは会社を辞めてしまいます。

Bさんは中々のイケメンで腕もかなりのものです。
ただ、残念なことに口下手でぶっきらぼうな性格。
あまり人との会話を好みません。

僕が新人の頃、実力不足のせいで
何をやっても不具合を取り去ることができず納期目前となってしまったことがあります。
このままでは完成させられないと、Bさんに泣きつきました。

Bさんはかなり上の立場の人ですから、
新人の僕に教えるなんて本来ありえません。
しかし「相談する相手が間違っているだろ」と言いながらも対応してくれました。

当日は深夜まで、翌日土曜日も一緒に作業をしてもらい、
何とか完成させることができました。
僕が数週間一歩も進めなかったのに1日とちょっとです。

相談する人を間違っている
と、後で色んな人に言われましたが、
だったら相談している時に止めて欲しかった。

ほとんどしゃべらないし厳しいことを言う人なので、
かなり怖いのですが何だかんだで優しい人です。

「プログラムの動きを頭の中で想像しろ。動きが想像できない状態で修正するから、いつまでたっても収束しない。なぜ全体を理解しない。」
「そういう動きになるのは、そういうプログラムを書いているからだ。何かのせいにするな。」
Bさんの教えが、僕のプログラマーとしての考え方の基礎になっています。

この上司。
ぶっきらぼうな性格でかなり転職に苦労したようです。
しかも辞めた後がかなり悲惨です。

懇意にしてくれていた取引先に売り込みに行ったのですが、
その相手も時同じくして辞める算段をしていたので断られました。
口下手と年齢で転職活動にかなり苦労したと言っていましたが、何とか入った会社はすぐに倒産。
その後、奥さんとは離婚。一家は離散。
最終的には小さなソフトウェア会社に入って、辞めたはずのウチの会社に派遣の面接にくるという始末です。
気を遣うので断りました。不採用を決めたのは僕です。

実は、元の会社より小さなソフトウェア会社へ転職するというのが、一番多いケースです。
そういった会社はソフトウェア会社と言えど自社に仕事が無いので、
大抵派遣を生業としています。
普通に転職活動して、ステップアップするのはかなり難しいです。

ケース2:転職活動で別の業種に転職

実はあまりこういうタイプはいません。
基本的にソフトウェア開発が好きなのでしょうか。
それともやはり異業種への転職は難しいということでしょうか。

僕が知っているのは、不動産屋の営業、消防士、弁理士に転職した3人だけです。
たぶんもうちょいいるとは思うのですが、
完全な営業か資格で入る職業しかないのかもしれません。

ケース3:派遣先に就職

これはかなり多いです。
中小企業のソフトウェア会社は社内の開発のみではなく
社外へ派遣されることが往々にしてあります。

派遣として長くいると、その会社の中で一定の信頼が得られます。
自社よりも今通っている会社が身近になります。
他社とは言え長く働いているので顔も名前も見知った人達ばかり。
気安い環境です。

一方自社への愛情などハナからありませんし、
その内派遣先から「ウチこない?」と言われ、悩んだ結果そちらへ移動。
このケースはかなり多いです。

ケース4:事業を起こす

このケースも一定数あります。
しかし友達と一緒に居酒屋をやるという脱サラ系は一人も成功していません。

小さなソフトウェア会社を設立するというのが成功パターンの様です。
ただ、小さなソフトウェア会社を設立も
小さな派遣会社になってしまうパターンが多く何とも大変そうです。

ちゃんと社内で開発を行うソフトウェア会社を設立するパターンは、
もともと付き合いのあった会社の仕事とチームのメンバーをさらっていくパターンです。

仕事のためとは言え、
色々えぐい事を平気でできる人が成功していますし、
そもそも親が経営者とかなので、そういう素地があります。

僕もかなりえぐられました。
仕事を奪うためとはいえ、お客さんの前でかなり罵倒されました。
それまで良い先輩だと思っていただけにこの豹変はショックでした。

何より親が金持ちなので資金力もあり、趣味で会社を立ち上げる人たちです。
今もかなり順調な経営をされています。

ケース5:家業を継ぐ

これも継ぐ家業がある素敵な親をお持ちのケースです。
僕のようにサラリーマンの家系で育った人間には無縁ですが、
婿養子に入って奥さんの実家の家業を継いだ人が、
今は社長で成功しています。

また、大地主の息子で、
親の不動産事業の類を引き継いで悠々自適生活の方もいます。

かなりのレアケースですね。

ケース6:派遣会社に登録

インターネットで「フリーランスSE」とか検索すれば夢のようなキーワードが出てきます。
月収70万で休みは自由。実力の世界だから頑張れば頑張るほど報われる。
そういう謳い文句につられてフリーへ転向するのでしょう。

探しても就職先が見つからない時代は、そういう退職者もいました。
どういう事情かは知りませんが、その大半が今では介護系の仕事に移っています。

最近ウチの会社からフリーランスへ転向する話題は聞きませんね。
今の世の中、フリーランスSEは儲からないと思います。

確かにフリーランスSEの単価は、60万円~90万円といわれています。
最大の90万円だと1~2割の中間マージンなので、70~80万円の月収でしょうか。
良いですね。買い手がつけば。

最近、派遣会社がかなり多いです。
ちょっと問い合わせメールを送れば山ほど連絡が来ます。
派遣業界の競争は熾烈で単価は下降の一途です。

最近はようやく値段が落ち着いてきました。
45万円~70万円が多いですね。
よほど特殊な理由がないと55~65万円位で契約となります。

たまにご高齢の方が高い単価で応募してくるのですが
替えはいくらでもいるんで技術力を当社比で訴えられたところで、
若くて素直で安い方選びますよね。

ちなみに僕が人を募集する時、
「6月~8月の3か月間だけC#とデータベースができる人3人用意してください」
という感じで派遣会社に依頼します。

「その言語やったことがない」という事態だけ避けられれば、技術力なんか大して期待していません。
最初から期間は決まっていますし、延長することもあまりありません。
長く居てもらうわけでもないので単価が上がることもありません。
大体は単発で契約終了です。

早い話
高い単価で雇われることが無いのだから、儲かるわけがないよね
というお話です。

中には、
・興味のある技術しかやらない。
・責任が重くなるので長く同じ場所にはいない。
・ある程度まとまったお金が入ったらしばらく休む。
という方もいます。
お金はカツカツみたいでしたが、そういう生き方は悪くなさそうでした。

ケース7:取引先へ転職

僕がこのパターンですが、他ではあまり聞かないケースです。
派遣として常駐していて引き抜かれるパターンは良くありますが、
請負でやりとりしていたお客様先へ転職というケースは厚顔無恥にもほどがあります。

詳しい事情はこちらで。
「転職先が決まりました」

まとめ

プログラマーがやめた後どいう方向へ進むのかについて書いてみました。
誰かの参考になれば幸いです。

おわり

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