DXの設計書⑲ – 生産管理の仕事を楽にしてみよう

前回の記事でコミュニケーションがコストであることをお伝えしました。
特に情報の再利用性の悪さとメールなどの生産性の低さについて述べました。
しかも、自分だけでなく相手の時間も奪うというね。
もう少し仕様を見直してほしいところです。

さて、みなさん軽視しがちのコミュニケーション。
実はこの業務、多くの方の作業見積もりに含まれていません。

今日、結局何もやってないなぁ。一体一日何をやっていたんだろう。とか
残業時間に入ってから何だか仕事進むんだよね。とか
思っている人の業務のほとんどはコミュニケーションです。

しかしアウトプットが使い捨てなので何も残りません。

前回同様、生産管理の人を中心にコミュニケーションの改善を試みようと思います。
今回はパッケージのお話です。ようやくDXっぽい。


ERPというのをご存知でしょうか?
製造業に携わる人なら聞きなれた用語だと思います。
Enterprise Resource Planning:経営資源計画

スクラッチで作っているところもあれば、パッケージを導入しているところもあります。
経営資源から年や日単位の生産計画を作るところまでを担います。

ERPとMESの役割の違い – SAP

また、MESという概念も存在します。
僕はどちらかというとMESの方が得意です。
企業間の関連図にERPとMESを合わせこむとこんな感じです。

ERPでいつまでに何をどれくらい作るかを計画(生産計画)して、
MESで細かい工程(工程計画)にばらしていきます。
MESは日単位であったり場合によっては分単位で計画します。
とある会社さんは全てEXCELでやってるのに5分単位の作業計画にバラしていました。
人力のすごさに驚愕しました。

僕がMESを得意としているのは前職でITベンダーで請負を中心にやっていたからです。
ERPはパッケージが充実していますが、MESの部分はそれぞれ会社ごとに特色があり中々パッケージ化が難しいのでしょう。


さくっと生産管理のコミュニケーションコストを減らそうとすれば、
ERPを最先端のものしようとするのは、ナシよりのアリです。

ERPの歴史は古く1990年代に多くの企業で導入されました。今から考えれば30年前。
2000年問題で大騒ぎになりましたが、そのタイミングでERPを入れ替えたとしても
既に20年が経過しています。

今、多くの企業で頭を抱えているのはERPをどうするか?だと思います。

30年前、MicrosoftもまだIBMに良いように使われている時代でした。
1995年にようやくInternet Exploreが登場し、ようやくインターネットの概念が世に知れ渡りました。
時代の寵児、Googleの誕生もまだです。1998年設立ですので20年ちょっと前ですね。
そのころERPは全盛期を迎えています。
クラウドどころかインターネットも知らない子たちです。ただの計算機。平たく言えばそろばんです。
ちょっと大げさに言ってみました。ハハ。僕は無責任なのですよ。

情報共有のインターフェースのほとんどが紙です。
古くからある製造業。物持ちの良い日本人の気質。有りものをうまく使う器用さ。
マッチしてしまいました。

第二次世界大戦で日本人は竹やりで戦おうとしたと言います。嘘かホントは知りませんが。

竹槍では間に合はぬ 飛行機だ、海洋航空機だ

竹やり事件 – Wikipedia

今、日本の多くの企業は、並み居る世界の最新の技術たちと黒電話やそろばんで戦っています。
しかもその状況に気付けていないのが現状です。
ここ10年ほどで急激に伸びてきた中国やインドは強いですよ。
そんな古いツールはハナから使ってませんし、置き換えに頭を悩ますこともありません。


コミュニケーションは2000年代にIT革命とか言われて飛躍的に向上しました。
しかし、日本は少しシステム化が早すぎた。

システムのリプレイスってしんどいんですよね。
僕も嫌です。あー、憂鬱。
そろばん絶対主義を崩せる気がしません。
とはいえ竹やりで戦うわけにもいかんし。
竹やりの作り方をいくら磨いてもしょーがないんですよね。

適切なツールに変えた方が良いと思いますよ?
僕から言えるのはそれだけです。

ナシよりのアリ。
便利な言葉ですね。

DXの設計書⑲ – 生産管理の業務を楽にしてみよう

おわり

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