昨今の請負開発の状況 – ソフトウェア開発分析データ集2020

請負開発を中心とした企業が、
どういうソフトウェア開発を行っているのかが気になって調べてみました。
データの外観を漠然と追っていきます。

今回は「ソフトウェア開発分析データ集2020」を使用しています。


対象業種

まず、開発する成果物の対象業種から。


ソフトウェア開発分析データ集2020 – より抜粋(Copyright 2020 IPA)

どうやら、金融・保険業が多いようです。
金融・保険業、情報通信業、製造業、公務と続くようです。
僕が得意とする製造業は14.4%で3番目のようですね。
正直意外です。金融系がかなり多くを占めているんですね。

金融はなかなかレガシーな言語を使用していますので、
キラキラのアプリ開発を想定して入社すると理想と現実のギャップに打ちのめされるかもしれません。

開発プロダクトの種別

開発プロダクトの種別を見てみます。

改修・保守が多いみたいですね。次いで新規開発。
パッケージ利用開発やOSS含む流用開発は少ないようですね。

使用言語

使用言語はJavaが多いようですね。
次いでCOBOL・・・COBOL?金融が多いので仕方ないですね。
Visual Basic.NET、C#、Cと続きます。

以前、GitHubで調べた情報では、JavaScriptが1位でした。
次いでPython、Ruby・・・と続いていきます。
全然違いますね。

GitHubの人気リポジトリから見る開発言語の将来性 – プログラマーやめました

みんな大好き機械学習やディープラーニング。
請負開発ではできないかもしれませんね。

アーキテクチャ

スタンドアロンから3層のクライアントサーバーシステムまでで47.5%です。
イントラネット/インターネットは48.5%とここを混ぜた理由はわかりません。
イントラネットは社内設備などとの通信関係だと想像するのですが、
インターネット?社外に向けたWebサービスとかかなぁ。

3階層クライアント/サーバまでで47.5%ですので
みんな大好きクラウドに携われる確率は・・・なんとも言えませんね。
その他の内容がすごく気になります。想像がつきません。

プラットフォーム

Windows系で45.6%
Linux/Unix系で40.9%
Windowsは強しと言ったところですね。

それほど違和感はありません。
中途採用や派遣で来てくれる人の得意OSは確かに半々です。

SLOC(コード行数) – 開発規模

コード行数が1万行以下のものがもっとも多いようです。
やたら長い行数のファイルとかもありますが、
C#だと1ファイル(クラス)300行くらいが理想らしいので、
30ファイル強くらいの規模ですかね。全く違和感ありません。
対数グラフにしてほしい・・・。

FP値 – 開発規模

FP値(ファンクションポイント)
いわゆる機能数ですね。僕もよく見積に使用します。

2400超が最も多くて400-500位が次に多そうですね。
先程のSLOCは200K超が170件ほどあったのに比べ2400超の機能数は35と激減です。
COBOLが開発言語として多かったことを考えると致し方ありません。
高機能のものを作りたいと考えるのなら効率の良い言語を使った方が良いかと思います。

開発スタイル

世間でアジャイル開発が賑わっているわりには、
ウォーターフォールにイテレート開発でほぼ全てですね。
僕も人のこと言えませんし、アジャイル開発についてちゃんと理解できていません。
不勉強でお恥ずかしい。

とはいえ、成果物を予め定義する請負開発ではこうなるのは致し方がないかもしれません。

工期

すでに明らかになっていますが、小規模のものが中心です。
6-8カ月くらいの開発が最も多いようですね。

製造業に入ると製造業でつくるものと同じペースで計画立案が行われます。
ソフトウェアの導入や開発も同じです。
ほとんどのものが1年以内で終わるんですけどね。


少し長くなってしまいましたのでこの辺にしておきます。
IT企業から離れて製造業で暮らす僕としては少し懐かしい気分になると同時に
ほとんど変わってない印象で少しほっとしました。
同時にホントにこれで良いのか?と改めて考えさせられる内容でした。

こういうデータはたまにゆっくり見ると面白いです。
おススメです。

おわり

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