必要だけどやりたくない作業の一つ見積。
まず、ハズレます。
見積もれるわけねー。というのが本音です。
でも、やらないといけないのですよ。
今回は作業量の見積もりについてです。
あなたは今、学校や職場にいるとしましょう。
学校や職場から家につくまでの時間を見積もることができますか?
できますね。分単位で正確に出せると思います。
でも途中、電車が遅れるかもしれません。
途中、人参と卵を買って帰らないといけないとしたら?
途端に家につく時間は曖昧になります。
しかし、高めの精度で出せると思います。
では、自分以外の誰かに人参と卵を買って職場から自宅まで移動させるとしたら?
その人は途中寄り道するかもしれません。
居酒屋で飲んで喧嘩して警察のお世話になるかもしれません。
この程度のことですら精度を出すことはできません。
難しい理由は、繰り返しのない1回限りの業務だからです。
プロジェクトの特徴と言えます。
プロジェクトとは、一回限りの繰り返しのない仕事である。
プロジェクトの定義はNASAやPMI(米国プロジェクトマネジメント協会)などで行われていますが、いずれにも共通する要素をピックアップするとこのようになります。
- 有期性がある業務(期間が限定され、明確な開始と終了がある業務)
- 独自性がある業務(繰り返しのない1回限りの業務)
- 明確なプロジェクト目標の存在
[情報処理教科書 – プロジェクトマネージャ]より引用
一度も経験したことのないものを見積もるので過去の似たプロジェクトや作業を参考にします。
でも、条件は全く違います。メンバーの能力、人数、環境、期間、使えそうな技術。
似た経験がなかったら?そんなの勘ですよ。
繰り返し作業を見積もる製造業の人工計算とは異なります。
とはいえ製造業の繰り返し作業も、トラブルや能力により作業時間にばらつきが出ます。
そのため、工程設計と呼ばれる専門家達がいます。
ソフトウェア開発におけるプロジェクトの工数見積は様々な技法が提案されています。
- 標準値法(ボトムアップ見積)
- ファンクションポイント法
- COCOMO法(Constructive Cost Model)
- LOC(lines of code)
色々試しましたが、係数次第で大きくズレます。
それ以前にタスクの洗い出しから安定しません。
抜け漏れなく洗い出しているつもりでも大きな作業がごっそり抜けていたりします。
またそれぞれのタスクが5倍以上ばらつきます。しかもチャンスは1回。
メンバーの子供がインフルエンザに罹って幼稚園・保育園から迎えに来いと言われたら終わりです。
クリティカルパス上の作業なら不幸ですね。
プロジェクト全体が遅延します。
うまく行かなかったら好き放題言われます。
- お前がそれだけでできると言ったんだろ
- 俺はこんな工数ではできないと最初からわかっていた
- XX作業が抜けていることには気づいていたんですけどね
- 自分だったらこの倍見積もりますね
でも、見積もるしかありませんね。
リソースを要求するにも作業のスケジュールを説明するにも説得力が全然違います。
中身はタダの勘ですけどね。
予定通り事が運ぶことは、めったにありませんよ。
といって予定をたてないわけにも行きませんしね
銀河英雄伝説より
またもやDX関係なし。
タスクを洗い出し覚悟を決めて見積るべし
おわり
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