DXの設計書⑭ – 身の丈を知る2、内製でいくべきか、外製でいくべきか

内製はうまくいかない。そうおっしゃる方もいます。
外製ならうまくいくのか?そうではありません。

ソフトウェアを導入すれば、内製・外製にかかわらずお守り工数が増えます。
トラブルの無いソフトウェアはありません。

自分しか頼るものがない内製
外部に頼るしかない外製
はたまたその中間に位置するパッケージソフト。
どれを選ぶべきか。


お守工数の問題は僕自身も抱えています。
バカにならない工数を取られています。

IT業界から製造業に転身したので、
パソコンのトラブル = 僕さんに聞け
です。

もはや、僕が作っていようがいなかろうが関係ありません。
ただ、現象を聞けば大抵対策はわかります。
恒久対策は中々できませんが。

1.ソースコードなしで処置できる例

ネットワーク関係のトラブル

  • LANケーブルが抜けている(抜けかかっている)
  • ネットワークカードが壊れている
  • LANケーブルの断線
  • HUBの老朽化・破損
  • アクセスポイントの不調
  • IPアドレスかぶり
  • ループバック
  • 入力値の不備

サーバー側のトラブル

  • サーバー負荷の上昇
  • デッドロック
  • テーブルインデックスの再構築・再構成

設定・入力値の不備

  • フォルダ配置の不備
  • iniファイル、Configファイルの設定のミス
  • 不正な文字の入力
  • 見えないスペースの入力
  • 半角・全角の間違い

代替手段があるトラブル

  • 他のツールを使えば回避できる

典型的なトラブル

  • アプリを再起動すれば直る
  • OSを再起動すれば直る
  • 理由はわからないが、おまじないをすれば直る
  • ログファイルやエラーメッセージを見れば対処がわかるトラブル

2.ソースコードがあると処置できる例

  • ソフトウェア不具合によるものの恒久対策
  • おかしなデータを書き込む・壊す・変なところに書き込む
  • 特定の画面にハマって抜け出せない
  • その他、怪しい動作全般

3.全く処置できない例

  • ソースコードを見てもさっぱりわからない挙動
  • パスワードロックがかかっていてソースコードが開けない
  • 最新版のソースコードがどれかわからない
  • ソースコードがない

適当に思いついたことを書いてみました。


何が困るかというと以下です。

工数を取られる
時間が限られていて精神的ストレスが大きい

手を出して解消できないトラブルはプライドが傷つきます。
「どうすれば良い?」って聞かれても「わかりません」と答えるしかありません。
途方に暮れるユーザーを背に、その場を去るのはなかなかグッと来ます。

少し内製・外製・パッケージでお守りの工数とストレスを比較してみます。

  • お守の工数、ストレスの比較
内製(自分) 内製(他人) 外製 パッケージ
工数 × × ×~△
ストレス × △~〇

内製はストレス面は少なくても工数は膨大です。
後、自分が最後の砦という何とも言えない状況になります。
また、自分がお役御免になれば、誰かの手に渡り他人が作った内製になります。
会社から見たら内製でも、他人の作ったブラックボックス。
勘も働かず頼む先も無い。平たく言えば最悪です。

外製は、開発工数は減ってもお守工数はさほど減りません。
お守のストレスも外部に聞かないとわからないという状況。
すぐに対応しないといけない状況で担当者と連絡がつかないなんてザラです。
本日は有給をいただいております。なんて言われたら絶望ですね。

パッケージは一見良さそうですが、パッケージ上で開発するものを外注してしまえば外製と同じです。
パッケージ自体の完成度は高くトラブルは少なめです。
ただ、パッケージ上で開発する成果物によるトラブルで工数を取られます。


開発についても表にしておきます。

内製(自分) 内製(他人) 外製 パッケージ
工数 × ×
機能
拡張性 ×

内製は自分だろうが他人だろうが、自社の持ち出し工数という意味で同じです。
機能も拡張性も仕様次第でしょう。自分が作ろうが他人が作ろうが同じです。
他部署で頼みづらい等はありますが、大した話ではありません。

外製は仕様検討と受け入れテストに工数を取られます。
開発をベンダーがやってくれるので内製よりは楽ですね。
機能は仕様次第であるため内製だろうが外製だろうが同じです。
とはいえパッケージレベルで機能を盛り込むのは現実的ではありません。
拡張性は金銭面で内製に劣ります。

パッケージは最初からモノが存在します。
それをどう使うかだけの話です。
内製でつくるものよりも何倍も高機能ですが、
それが自分のニーズにマッチしているかはわかりません。
拡張性はありません。与えられたものの範囲で頑張るのみです。

いずれも良し悪しがあり、どの選択であっても100点にはなりません。


お守工数の大小は内製・外製にあまり依存しないと考えています。
どちらかというと成果物の完成度の問題です。

きちんとドキュメント揃えておけばよい?
ま、それも含めて成果物の完成度です。

自分の身の丈にあったものを選びましょう。

内製でいくべきか、外製でいくべきか、はたまたパッケージでいくべきか。

おわり

PR

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です