本記事では一般的なIoTの定義
「色んなデータをとってダッシュボード化すること」
を掘り下げてみます。
結局データをためるところはいけても
画面作りがスクラッチ開発になるケースが多々あります。
汎用性の低い怪しげなツールを導入することもあります。
一つキーワードを憶えていってください。BIツール。
ここのツール選びを間違えると結果は雲泥の差です。
IoT化の苦労
前回は、良く見かけるIoTの構成をご紹介しました。
この構成を構築することで、以下①~④までの準備ができます。
- 設備からデータを吸い上げる
- データを溜め込む
- データの分析や加工を行う
- グラフ化する
1.と2.は結構苦労します。
ツールが充実してきたとはいえ、まだまだ複雑な設定が必要です。
まぁ、プログラムを一つずつ組むよりはマシという程度です。
3.データの分析は特殊な能力が必要になります。
僕も持ち合わせていません。
いわゆるデータサイエンスと呼ばれるジャンルですが
簡単に言えば「大量のデータを見て傾向や対策を明らかにする」分野です。
実現するには統計、数学的な知識は必須です。
また、データベースの知識やR言語、簡単なプログラムの知識も必要ですし
機械学習など新しい技術の知識も必要になってきます。
そんな人はいません。
4.は、昨今様々なツールが存在します。
BIツールはかなりブラシュアップされてきました。かなり使いやすいものもあります。
僕はTableauを愛用しています。
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ただ、これもツールの選択を誤るとたちまち地獄行き。
結局、エクセルの方が便利だったりします。
モダンBIとトラディショナルBI
くれぐれもツール選びは慎重に。
苦労の末、ようやくたどり着いたダッシュボード化(グラフ化)ですが
大事なのは何をダッシュボード化するかです。
中々、この答えを持つ人はいません。
何故なら3.のスキルが不足しているからです。
何が見えれば役に立つのか
この答えを持たない人はIoTの大海原で大量のデータに飲み込まれて遭難します。
また砂漠で砂金を探すようなものですからデータ分析には時間がかかります。
片手間でやらせる環境に未来はありません。
つながらないIoT
世間は設備情報やセンサーデータを
データベースに上げればつながると思っている様ですが
果たしてそうなのでしょうか。
上図の製品は型番とシリアルナンバーの2種類の番号を持ちます。
例えば原価を知りたい場合、
型番/シリアル番号毎の2パターンが考えられます。
型番毎までは案外いけるのですが、
シリアル番号毎にたどり着くのは至難の業です。
工程A、B、Cでデータを登録する際に
シリアルナンバーも同時に登録すれば後で追う事ができます。
しかし、その登録のひと手間が中々に難しいのです。
いちいち入力しなければなりませんし、
設備やセンサーに入力する機構があるとも限りません。
シリアル番号が入力のタイミングで存在しているかもわかりません。
苦労して溜めたデータも設備や工程を跨ぐとつながらず
タイムスタンプなどで推測が必要になるのですが
これまでに無い大量のデータが相手ですので何とも大変です。
結局「設備単体の時系列の電力量を出して終わり」という事態に陥ります。
実は設備の中からデータベースにデータを移動しただけ。
これが日本式IoTだったりします。
まとめ
本記事では、IoTが中々うまくいかない理由を以下としました。
- データサイエンスのスペシャリストが不在
- データベースに上げたデータ同士がつながらない
みんなで一斉に簡単にできるセンサーを取り付けてデータベースに上げて溜めたデータを前に途方に暮れる。
結構多くの人が、ひと昔前の僕と同じ状況になっているのでちょっと笑えます。
ブレイクスルーできたら、きっとボロ儲けですよ。
知らんけど。
おわり
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