御社のDX(デジタルトランスフォーメーション)は失敗します。
とある記事によれば、日本でDXに成功している企業は14%です。
この際、記事の真偽はどうでもよい。記事に乗っかります。
いくつかあるのでご参考まで。
- 「成功率はわずか14%、ボスコンが日本企業の「DX成功のカギ」を初公開(日経クロステック)
- 「DXに成功」と認識の日本企業は6.6%、明暗分けた納得の項目(日経クロステック)
- DXに成功したと認識している日本企業は約7% – アビームが会見 マイナビニュース
根拠もなく「自分のところは大丈夫!」と強がっているのであれば「要件定義不足」みたいな理由でうやむやになります。
とはいえ、DXに取り組もうとしている企業は多いようで、数回にわたって記事を垂れ流していこうと考えております。
誰か一人にでもお役に立てれば幸いです。
では、DXの設計書第一弾。
最前線でDXに取り組まれている南山大学の青山先生からコメントもらえるといいなぁ。
と、淡い期待を抱きつつ。
※2021年5月13日 青山 幹雄 南山大学理工学部ソフトウェア工学科・教授はご逝去されました。
ご冥福をお祈りいたします。https://www.nanzan-u.ac.jp/Menu/koho/pdf/210517_fuho.pdf
皆さんDXについてはご存知のようですが、
そのイメージはまだまだ雲のように取り留めのないものですね。
クラウドの導入って・・・目的じゃなくて、ただの手段やん。。。
・クラウドの導入:73.8%
・デジタルツールの導入:63.9%
・AI:55.7%
・業務改善:54.1%
・リモートワーク:44.3%
・オンライン営業:42.6%
・データに基づいた意思決定:37.7%
・開発手法の見直し:29.5%
・業務部門のIT開発:27.9%
・システムのリプレイス:23.0%
・その他:4.9%
・特にない:0.0%
DX(デジタルトランスフォーメーション)を「知っている」経営者は70%、うち89.4%が経営課題として捉えていると回答より引用
DXに限らずシステム導入は難しいものです。
昨今成功率が上がっている(1745事例を調査、成功率は52.8%)とのことですが、システムリプレイスに限定するとその結果は絶望的です(記事見つからず)。
システムのリプレイスが23.0%となっていますが、クラウド導入等もすでにオンプレでやられている仕組みの置き換えが含まれていたりします。
おそらく大半がシステムリプレイスなのではないでしょうか。
2025年の崖と言われていますが、20,30年選手のレガシーシステムのリプレイスをテーマにしたDXがそこかしこに登場しています。
既存システムが最初の恋人のユーザーは未練がましく「前の方がよかった」と縋り付くものです。
評価する人が男子だとダメですね。まず失敗。
並行運用が続いて負担は単純計算で2倍。ご愁傷様です。
繰り返しになりますが、今のままだと御社のDXは必ず失敗します。
冒頭の14%や7%の成功は何か?というお話をしましょう。
漫画ぼのぼのに出てくるスナドリネコさんの言葉がわかりやすいかもしれません。
勝ったやつはいない、負けたと思ったやつがいただけだ。
プロジェクトに明確な数値目標があれば、その達成・未達成で成功失敗を分けることでしょう。
少しお聞きします。
- 品質:不具合やトラブルの数が一定数以下であることが成功ですか?
- 納期:納期を守れたことが成功ですか?
- コスト:コストが予定内におさまったことが成功ですか?
プロジェクト担当者はQCDを盾にプロジェクトは成功だと言い張るでしょう。
ユーザーは既存のシステムと違うところをつるし上げて失敗だと主張します。
経営者は人にアピールできる(売れる)部分があれば成功・無ければ失敗と言うでしょう。
誰がそのプロジェクトの評価を決めるのか?少し考えてみてください。
評価する人が失敗だと思ったら終わりです。
いくらモノが素晴らしくても売れないことが往々にしてあります。
プロジェクトも同じ。売り方が大事。
先の例に出てくる14%や7%の成功も、ただの「認識」です。
さて、あなたがプロジェクトをけん引する立場であれば何をゴールとするのでしょうか?
プロジェクトの評価者を見極めその人達に「成功」と言わせるゴールを設定しなければなりません。
ゴールが間違っていれば、素晴らしいプロジェクトマネジメントをしても最短距離で間違ったゴールにたどり着くだけです。
得てしてプロジェクトの評価者はシステムの機能とか凄さなんて理解できないものです。
あなたがいくら独りよがりのQCDを訴えたところで凄さは伝わりません。
誰に「成功」と言わせるか見極めてください。
案外簡単に言わせることができます。
御社のDX(デジタルトランスフォーメーション)は失敗します。
と言いましたが、正確には失敗も成功を同時にしています。
評価する人によって成功と失敗の見え方は異なります。
誰がそのプロジェクトの成功や失敗のラベルやレッテルを貼るのか。
それをしっかり意識しましょう。
まずはそこから。
おわり
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