やりたいことなんて何もない

2017年職業としてのプログラマーをやめた。あれから3年。
どういうわけかIT企業にいたころより、高度なことをやらせてもらっていると思う。
プログラミングをする機会は減った。
僕が抱えるチームメンバーの人数も減った。
自分のつくったソフトを使うユーザーはすぐそばにいる。
インストールとか設定という言葉を聞くだけでヒステリックになる人たちだ。
今日もWindowsにログインできなくてキレている。


強敵(ログインと読む)と闘う人から求められるものは機械学習やらAIやらIoTやらDXやら・・・。
新しい言葉を仕入れてきては、やってみたいと言う。
彼らの辞書に「身の丈」の3文字は登録されているのだろうか。

求められることがWindowsではやりにくいのでUbuntuに移行した。
何かと無料で高度なことができる。

一度Microsoftから離れるとWindowsってわずらわしい。
Windowsが悪いわけじゃなくて、Windowsならわかる人たちがつくったルールがわずらわしい。
何かとお金や手続きが必要。そんなに神経質にならなくてもというほどの鉄壁防御。
でも、Ubunutuなら治外法権。

Microsoftっ子でない技術者には普通のことかもしれないが
Microsoftにどっぷり浸ってきた僕にとっては不思議な感覚。
素人ながら、それなりのものが出来上がったと思う。

工場内は僕のチームでつくった仕組みが大半を占めるようになった。
思い返してみると色んなことがやれた。


ほっと一息ついていると上の人たちはどこで知り合ったのか、
国内・海外問わずパッケージメーカーを連れてくる。
すでに社内で出来上がっているものを別のツールで置き換えようというものばかりだ。
何だろう。この無為な時間は。

請負を生業としているソフトウェアベンダーも同じ。
結局、何かをまとめるか置き換えるかの提案しかない。

それってもうありますよ。何でまた一からつくるんですか?

・・・とは言えない。言っちゃうけど。
愛想笑いをしながら、うっかりスタートしないよう気を遣う。
選択する言葉を間違って誰かの面子をつぶしてしまう。


話は少し変わるが、技術者や技術者かぶれの話はつまらない。
自分はこんなすごいことができる。というのを聞かされる。
言いたい心理はすごくわかる。僕も同じ。

やりたいことは何ですか?何でもつくりますよ。

何でもできるからといって、何がしたいかをこっちに聞かないでほしい。
わかってたら自分でつくるし僕も何か作りたいのだ。
で、褒められたい。自慢したい。

あぁ、僕は40歳を前にしてまだやりたいことすら見つかっていないのだ。
進路に悩む学生と同じ。

やりたいことなんて何もない。

おわり

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