作業効率を落としてデジタル化する意味【ペーパーレス化】

紙には紙の良さがあります。
紙とペンがあればさっと情報を残せます。
記録の瞬発力はダントツです。
少ない文字数の記録において紙にスピードで勝るケースはそうそうありません。
ペーパレス化の大半はそのスピードを落とすことになります。

紙のコストはバカにならない?
作業時間が増えて人件費がかさむ方が余程コストだと思います。

僕はペーパーレス推奨派ですが
僕の中でペーパーレス化に対する葛藤が続いており、
その内容をまとめたくここに記す次第です。

紙を減らす嬉しさ

最近流行りのDX(デジタルトランスフォーメーション)のため
時折紙がやり玉に上がります。

  • デジタイゼーション
  • デジタライゼーション
  • デジタルトランスフォーメーション

デジタル化の三つの切り口で言えばペーパレス化はデジタイゼーションにあたります。
データを電子化し探す時間を削減。データの再利用・交換を可能にします。

電子データは検索もコピペも配布も簡単ですし修正するのも簡単ですよね。
電子化されたデータは広く応用が利きます。

位置情報など勝手に入力されていくデータは良いのですが
手入力しなければならない情報は多くの場合、作業効率が落ちます。

そこで根本的な疑問がわきます。

作業効率を落としてまでデジタル化する意味があるのか?

目的と手段をはき違えている?

結局「紙 → 電子化」で増える作業コストを誰が被るか。の議論で紛糾します。
ペーパーレスは少数の管理者の作業を減らし
数で勝る末端の作業者の作業負荷を増やすのでややこしい。

作業効率を落としてまでデジタル化する意味があるのか?
という悩みに答えが出ない内は、
目的と手段をはき違えている
と言われて黙りこむことになります。

伝家の宝刀
伸びた作業時間の方がよっぽどコスト

大義名分(トップの号令)がない限り、
必ずと言って良いほど抜き差しならない状態になります。

担当者レベルで紙のコスト削減やCO2削減を謳っても負けます。

SDGs?カーボンニュートラル?
そんなの貴族の遊びだろ?お前は蹴鞠でもして俳句でも詠んでろ。

場合によっては管理者・作業者がタッグを組んで「システムが悪い」になります。システム屋の死は免れません。

広い視野で見れば儲かるのかもしれませんが、
そんなこと負荷が増える当事者の知ったことではありません。

ペーパーレス化自体を目的化する

手段と目的をはき違えている。と言われかねませんが
僕はペーパーレス化自体を目的にすべきと考えています。

例えば

業務で紙を一切使用しない工場

なんて記事が出たら

「一体どうやって?」の疑問がたくさん湧きませんか?
間違いなくバズります。

現段階ではペーパーレス化が儲かるという根拠はありません。

なので動機付けは
紙が消えた職場はカッコいい
これで良いと思うんですよね。

かわいいとかかっこいいは動機付けとしてかなり強い。
人はかわいいとかカッコいいのために論理的でない行動をとります。
寒いのにミニスカートをはいたり、
やらなくて良い危ないことをしたり。

タブレット持って作業するあなたはカッコいいですよ。

コスト会計とスループット会計

TOCの登場により30年以上前からコスト会計は否定されています。
とはいえスループットの算出は一筋縄で行かず、
依然コストを中心に考えられています。
改善はその方針により局所最適・部分最適化の目線で進められます。

先ほど動機付けなんて「カッコいい」とかで良くね?
と申し上げましたがやはりそれでは弱い。

何とかペーパーレスによるスループットの向上を定量的に証明したい。

僕は一般解としてそれを証明することができません。
誰か証明してくれませんかね?

手書きのデータの全てが電子データとして残っている状態は
全体のスループットがどれだけ向上させるのか。
それが証明されればペーパーレス化自体が目的になります。

企業の多くはコスト会計をベースに考えるため
ペーパーレス化が進むことはあまり無いでしょう。

何とかブレークスルーしたい。

蛇足

救いを求めてGoogle検索「ペーパレス」の上位10件を拾って形態素解析にかけてみました。
期待する答えは無かったのですが、ざっくり全体像をとらえるには良いのではないでしょうか。

  • 共起ネットワーク

  • 多次元尺度法

まとめ

僕が欲しいのは以下の一般解。

紙をXXXX枚削減することで
その組織のトータルの業務時間をXX分低減できることが一般的にわかっています。

後、トップ直々の大号令。

ペーパーレスに本気で取り組みますよ。
みなさん、コピー機のトータル印刷回数を毎月報告するように。

ペーパーレス化とは? – 作業効率を落としてまでデジタル化する意味とは?

おわり

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