データを集めて分析した結果、XXXが30%向上。よく耳にする話ですが何故か30%。
データを集めるというのは具体性のある話ですが分析とその後につづく行動が全く不透明です。
分析とはなんぞや?今回は分析ついてお話したいと思います。
4つの分析
まず分析を4つに分類します。
- 記述的アナリティクス(Discriptive Analytics)
- 診断的アナリティクス(Diagnostic Analytics)
- 予測的アナリティクス(Predictive Analytics)
- 処方的アナリティクス(Prescriptive Analytics)
少し日本語訳がしっくりこないところはありますが、
以下を当てはめれば少し理解しやすくなります。
- 過去に何が起きたのか(記述的アナリティクス)
- なぜそれが起きたのか(診断的アナリティクス)
- これから何が起きるのか(予測的アナリティクス)
- これから何をすべきか(処方的アナリティクス)
巷で分析という言葉は溢れかえっていますが、
分析が何を意味するかを説明しているケースはあまりありません。
実態は定期的な報告会に向けて
決まったフォーマットのグラフをつくることが分析になっています。
そのため集計作業の自動化が主なデータサイエンスやビッグデータ活用です。
はぁ?
数字に強い日本人と分析への期待
日本は元々データ分析に強い国です。
日本のデータ分析技術の歴史は長く時代は敗戦後GHQの話に遡ります。
日本科学技術連が戦後まもなくデミング博士を招聘し
統計的プロセス制御や品質管理についての講義を実施しました。
日本の製品品質の高さはQC7つ道具などを使いこなし
難しいとされていた品質のばらつきを支配したことにあります。
7つ道具は弁慶の7つ道具になぞらえているらしい(豆知識)。
実際日本人にとってデータを使って成果を上げることは当たり前です。
データサイエンティストが不足していると言われる世の中ですが、
日常的に多くの人がデータサイエンスをやっているというのが僕の見解です。
そのため分析の幅が異常に広く、
とある人の分析は報告書作成を意味しますし
とある人の分析は未来の予測を意味します。
当然大量のデータから得られる結果への期待値も人それぞれというわけです。
意外とデータ分析のハードルは高し。
4つの分類の意味
では4つの分類についてです。
- 記述的アナリティクス → 過去に何が起きたのか
- 診断的アナリティクス → なぜそれが起きたのか
- 予測的アナリティクス → これから何が起きるのか
- 処方的アナリティクス → これから何をすべきか
出典はシンシナシティ大学のJames R.Evans享受の著書『Business Analytics』で、
米国調査会社のガートナーが2を加えた内容です。
それぞれ分析の位置づけを明確にすることで非常に見通しが良くなります。
共通の認識で分析を進めていくことができます。
記述的アナリティクスはエクセルやTableau,PowerBIなどのBIツールを使用します。
この部分が充実していて日本人が最も得意とするところです。
残念ながら日本企業の多くはBIツールを使いこなすレベルには至っておらずエクセルのような表計算ソフトが中心です。
繰り返しのエクセル集計作業にうんざりしたころスクラッチでアプリを開発したりします。
診断的アナリティクスはまだあまり見かけませんが最近DataDiverというものを知りました。
面白いツールで分析の目的を入れるとグラフ化して特徴などを解説してくれます。
「"集計した結果に意味を付ける部分"がこれまで人依存だった」と気付かされた瞬間でした。
これはデータ分析の自動化の始まりを意味します。
予測的アナリティクスは機械学習の分野が充実していることを考えると自動化はそう遠くないのでしょう。
DataRobotなどモデル作成の自動化や機械学習の民主化を目指したツールもあります。
処方的アナリティクスはまだまだ現場の力や知識が必要です。
従いましてデータサイエンティストを名乗るのであれば、
2.診断的アナリティクスおよび4.処方的アナリティクスの領域を開拓していくことになります。
今回4つの分類を以下の本から見つけました。
そのおかげで一気に見通しが良くなったというお話です。
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まとめ
診断的アナリティクスが自動化されることはデータ活用の大きな前進かと考えます。
まだ精度の程はわかりませんが僕は非常に興味があります。
いやはや面白い時代です。
おわり
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