DXの設計書④ – 食べられるサイズに分けよ

DXやれでは、パイが大きすぎます。

せめて食べられるサイズで投げてほしいものです。
これでは何をすべきかわかりません。

僕もプロジェクトマネージャーの端くれとして、
3桁以上のプロジェクトマネジメントをしてきました。

プロジェクト進行中、
プロジェクトの完成を確信する瞬間があります。
プロジェクト完成までの全ての作業内容が見えた瞬間です。

プロジェクトになる前でも、話を聞いた段階で確信するものもあります。
納品やリリース後になっても確信が得られないものもあります。

ちょっとした思考実験をしてみましょう。


見渡す限り一面雑草の生い茂る平野があります。
ごつごつした岩や木もあります。
どこから手を付けて良いかわかりません。
どこまで土地があるかもわかりません。

さて、作業者を一人、お付けします。期間は100日間です。
あなたはこの作業者を使って、この土地を耕していってください。

シンプルなプロジェクトです。
あなたはどうしますか?


とりあえず始められるところから手をつけていくあなた。
それだと100日後に適当に耕された畑が残ります。
作業者と一緒に目につく岩を移動して木を切って手近なところから耕し始めます。
しばらくすると以前耕したところが気になって再度丁寧に耕して。
移動した岩が邪魔になったらまた移動させて。
全体を見渡したら全く進んでる気がしなくてモチベーションは低下します。

全体像を把握しようとしたあなた。
どこまであるかわからない土地です。
正気とは思えない行為です。
把握に何日もかけられません。
焦りばかり増して泥沼です。

やるべきは作業者が把握できる単位で区画を切っていくことです。
作業者が意志の強い優秀な人であれば、一日単位で区画を切ってあげれば良いでしょう。
しかし作業者の能力は未知数。気が散ったり誘惑に負けるタイプかもしれません。
面倒ですが一時間単位の作業量で区画を分けましょうか。
たかだか100日分です。24Hも働けないので現代の労働基準法にならえば8H。
800区画。大した量ではありません。
区画を切る作業時間は残業してもらいましょう。
休みは考慮しません。ドS仕様です。

岩や木の本数、土地の荒れ具合等で一時間の作業量にもばらつきがでます。
当然、予定通りにはいきません。
でも、認識できるサイズに分けることが大事。


DXやれDXを実現するでは何をすべきかわかりません。
適当に耕していくのと同じです。
分割しましょう。

分割すると本能的に層別や分類に精を出してしまいます。
この作業が楽しいんですよね。
頭を使っているように見えてほとんど使ってません。
ただの作業ですので、町を育成するシミュレーションゲームと同じです。
大項目・中項目・小項目。切り方の良くわからない項目名が並びます。

目的は分類や層別ではありません。
作業内容を明確化することにあります。

一つの区画に絞り込んで作業内容を組み立てられます。
まずは木を切って一か所に集め、次に岩を同じ場所に集めておく。
そのあと、区画外に運び畑を耕し始める。
耕す範囲は区画の範囲ピッタリまで。
作業者に伝えるのも簡単です。

僕は畑の専門家でもなければ工程設計の専門家でもありません。
作業手順がイマイチなのは見逃してください。

作業内容の洗い出しは責任が伴い苦痛ですが、分類や層別は楽しいものです。
そちらに引っ張られたらいつまでたっても終わりません。
誘惑に負けないよう頑張ってください。

全ての作業内容が洗い出せたらプロジェクトはイージー。


作業をイメージしやすいサイズに切り分けるのがコツです。

畑の話。それだと全部耕せないって?
誰が全部耕せと言いました?

食べられるサイズに分けよ

おわり

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